
COBOL言語の開発者である、海軍軍人のグレース・ホッパー(女性)は、戦時中ハーヴァード大のコンピューター、マークⅡ(車ではない!)のリレーに「蛾」が止まって故障したことで、世界初の「バグ」を発見した。この「蛾」を貼り付けた1945/9/9の日記帳は、ワシントンのスミソニアン博物館に所蔵されている。さて、「大銀行のオンラインシステム統合で、不具合が発生した」と、鬼の首を取ったようなニュースが日本では出る。確かに、銀行オンラインは、もはや公器であり、社会的影響は大きい。だから、綿密な準備とテストはもちろん必要である。しかし、これも費用対効果の算術の世界でもある。ソフトウエアの信頼性テストでは、欠陥があることは証明できるが、欠陥の無い事は証明できない。システムの規模が大きくなればなるほど、欠陥は存在し、すべてを取り除く事はできないのだ。だから、それを前提に、物事を考える必要がある。完全な人間はいない、完全な真理は存在しない。これと同じ事だ。利用者もメディアも、そこを履き違えてはいけない。重箱の隅をつつく事はできるが、つつく必要があるかどうかは別の問題なのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿