2008年12月12日金曜日

正しいリストラ? - 差別と論理

「リストラに正しいもなにもないだろう」と叱られるかもしれないが、アメリカで幾度か「本場のリストラ」を実行者としても、対象者としても経験してきた稀有?な自分としては、「法と倫理に基づく『正しい』リストラ」というものがあると思っている。どういうものかは昨日書いたからそれを見てほしいが、ボトムラインとしては、「人、個人としての差別をしない事、合理的、論理的である事」だと思っている。誤解を恐れずに言えば、「訴えられても負けない事」としてもよいかもしれない。ここ数年日本もリストラを平気でやるようになったが、この「リストラの精神」みたいなものが抜け落ちて、「数合わせ」だけで行われているように思う。だから安易に弱者へ向かう。50歳以上とか、外国人とか、派遣とか、内定者だとかだ。そういう「弱者切り」をしたら、アメリカではストライクアウト!だ。Job Description/Job Pricingだけがすべてではないが、やはりその本質の理解が必要だ。

2008年12月11日木曜日

派遣切り - 非合理

「何が悪い」などと過激な事を言うと首が飛ぶが、幸い私は大臣でも大企業の社長でもない。さて、ここ数年、「派遣社員を正規社員に」などという話になんだか釈然としなかった。アメリカでは、90年初頭の雇用危機を経て、組織と個人の新しい関係の中で、会社の社会化が進み、アウトソース、スタッフィング(派遣)など雇用・就労の形態が多角化、柔軟化、複線化してきた。世の中の不確定性が増加し、固定した関係のリスクを最小化するためだ。企業は、流した血と心の傷に学び、景気拡大時もむやみな採用を控え、厳選コア社員のリテンションを進めた。労働者を人として差別してはいけない。これは法であり、倫理だ。しかし、雇用形態の進化の逆行はいかがなものか。正社員は正社員なりのコンピテンシーと制約、責任、忠誠が前提で、派遣は派遣なりの専門性と柔軟性、自由、流動性がある。これは差別ではなく区別だ。ただ一つ言えるのは、「派遣だけ切る」という事は、リストラロジックとしては「非合理」だろう。正しいリストラとは、「なりたい姿を描き、それに必要な資源(人・物・金)を残し、足りない物を補強し、残念ながら当てはまらなかったものを削減する」事だ。だから、派遣が含まれる確立が高いかもしれないが、正社員だって組織との価値観が会わなければ対象になるのだ。そこを誤解してはいけない。、

2008年12月10日水曜日

絶対神と守護神 - 日本は?

ガソリンが安くなったせいもあり、最近はゴルフなども車で行く事が又増えた。という事で、電車を利用していた頃に取れた読書の時間も少なくなったのか、「ローマ」の3冊を読むのに1週間以上もかかった。ローマ帝国の衰退が加速する3世紀で、皇帝がコロコロかわり、最後はその後のキリスト教の帝国のっとりへの幕開けで終る。そこで、キリスト教の「絶対神」とローマの「守護神」の違いの紹介があるが、こうしてみると、神が人の脇にいて、人の自律を見守っていた社会と、天上に君臨し人を導く社会との差が歴然のように見える。日本は、「草葉の陰でおばあさんが見守る」というような、ケルト的アミニズムの余韻が残り、どちらかと言えば、ローマ的な宗教観を古層に持っているようだ。社会に不確実性が広まった時、何かにすがるか、人が人として立つかに分かれるのは歴史が教えている。日本人は、この世界をどう生きるか。

2008年12月9日火曜日

セルフモティベート - 謙虚心も

あの王監督、本塁打王を取っていた全盛期でも、シーズン開幕前は「今年は一本も打てないかも知れない」と思ったそうだ。だからこそ、オフには猛練習をして「自信」を持って臨んだという事だ。「自信とは、結果を元に後で持つものではなく、努力の結果としての事前に持つものだ」と白石豊は書いている。ゴルフで結果を残す選手も、「なぜかうまく行く試合の前は、自信で溢れている」と言うそうだ。石川遼がいいのは、常に前向きだからだ。このオフにどうなるのかは分からないが、十分練習して自信を増してくる事を期待したい。さて、ただのミーハーオヤジだが、先月石川遼を見にコースへ出かけた。Nature & Nurtuer、心は生まれてから育つ物。だからいつからでも、鍛え治す事ができる。まだ遅くないぞ。写真はヒルズからの東京タワー。

2008年12月8日月曜日

若者よ「夢」を抱け! - 安西塾長

「いつでも夢を」と橋と吉永が歌ったのは日本が、オリンピックを前に高度成長を始めた約45年も前だ。半世紀の間に日本は当時描いた「夢」を成し遂げたのかもしれない。ローマの本を読んでいて、建国の時期は手に汗握る面白さだが、衰退時期に入ると読むのがなかなかしんどいが、日本はこれからどうするのだろうか。と、人ごとのように、ここ何年も考えているのだが、昨晩はNHKで「日本人のアイデンティティー」という番組を見た。尊敬する安西塾長が登壇と言う事で、楽しみにしていたが、出番は1/5程度で残念だった。しかし、日本を先導する学長としての見識・意欲のさわりは聞けた。「若者よ夢を持て、世界を見ろ、果敢に挑戦しろ!」というようなメッセージを、いつ聞いても素晴らしい、気品ある語調で語られた。「目標は達成可能な短期ゴールの積み重ね」という認知工学的説明もあったが、本番はもっと色々と語られたのではないか。TV番組では編集されてしまうのが残念だ。「教育が日本をひらく」、先生の新刊本も必読だ。