
今年の読書を振り返ると、どうも「京都」がキーワードだった気がする。京都には、春夏秋冬4回行った。歴史の街だから、「その場」を目の前にすると、背景を知りたくなる。近くは幕末、遠くは、平安の昔まで。という事で、本屋ではそれらを自然に選んでいた。時折、中国や、ローマへ浮気をしたが、読みながらも、「その頃日本は?」なんて考えながら読んだようだ。そして、たどり着いたのが、「京都と海外を結ぶ本」だ。それで、北方謙三の「武王の門」など読み、尽くして、探していたのだが。見つけたのは「海国記」。「服部真澄」という作者は知らなかった。平安時代末期、宋との密貿易で財を成す「平家一族」の物語。延暦寺と興福寺が、「祇園(八坂)」を奪い合う事件も出てきて、面白い。宋との交易などを読むと、徳川鎖国の功罪をしみじみ考えてしまう。服部真澄だが、「国際情報小説の女王」とある。歴史物を期待しよう。