2007年12月28日金曜日

祇園精舎の鐘 - 諸行無常の響き

今年の読書を振り返ると、どうも「京都」がキーワードだった気がする。京都には、春夏秋冬4回行った。歴史の街だから、「その場」を目の前にすると、背景を知りたくなる。近くは幕末、遠くは、平安の昔まで。という事で、本屋ではそれらを自然に選んでいた。時折、中国や、ローマへ浮気をしたが、読みながらも、「その頃日本は?」なんて考えながら読んだようだ。そして、たどり着いたのが、「京都と海外を結ぶ本」だ。それで、北方謙三の「武王の門」など読み、尽くして、探していたのだが。見つけたのは「海国記」。「服部真澄」という作者は知らなかった。平安時代末期、宋との密貿易で財を成す「平家一族」の物語。延暦寺と興福寺が、「祇園(八坂)」を奪い合う事件も出てきて、面白い。宋との交易などを読むと、徳川鎖国の功罪をしみじみ考えてしまう。服部真澄だが、「国際情報小説の女王」とある。歴史物を期待しよう。

2007年12月27日木曜日

新エネルギー - New Horizon

イリノイ大学から一時帰国している3男と寿司だ。私のNY時代は、寿司は結構美味しいのがあったので、帰国すると食べたのが、蕎麦、鰻。しかし、彼の住むUrbanaには、寿司屋も無いそうだ。寿司どころか、日本人も殆どいない。彼の学科は「プラズマ&ニュークリア」だが、学部には外国人もいない。ちなみに彼も米国籍だ。NYに住んでいると、外国人がいるのが普通だが、中部はやはりアメリカ人ばかりだ。さて、「新エネルギー」の話をしてもらったのだが、なんだかすごい事になっているようだ。原油高から派生しているのだが、新エネルギーへの取り組みが日進月歩だ。バイオ燃料も全米の小麦畑のありようを激変させているし、彼の大学のそばに、「Coal Reactor」を新たに建設中との事。詳しくは判らないが、どうも水素を分離する「反応炉」みたいだ。水素は、エネルギー伝達の最高の媒体なんだが、製造が難しいのだそうだ。そういえば、ドバイに行っていた長男から聞いたが、ドバイが石油に依存する割合は、既に1割をきっているらしい。グローバルは、エネルギーの「新たな地平」を視野に入れている。

2007年12月26日水曜日

寒い - 棲家

NYで住んでいたアパートは、暖房でとても暖かかった。だから、冬でもTシャツ一枚で過ごしていたわけだ。ところが、日本の我が家は、「寒い」。基本的に暖房は、ガスストーブと炬燵。なので、部屋の中でもセーターがいる。昨年までは、2週間毎に往復していたので、この寒さもちょっと我慢すれば、暖かいNYの「我が部屋」へ戻れた。しかし、今は日々ここで暮らしているので、なんだか、体が「真」から冷えてきている感じがする。風呂はあるのだが、もともとシャワー派なので、家では風呂に入らない。なので、布団をかぶって寝ている時が、一番暖かい。さらに言えば、寝室は暖房がないので、部屋は寒い。冷え込む朝などは、吐く息が白い。帰国している3男も、寒いと言っているから、やはり我が家は特別寒いのだ。IBANOの語源は、ロシアのイワノフ。これはホントだ。写真は我が家。これはウソだ。

2007年12月25日火曜日

修行の谷間 - 根本中堂

今年は、「南北朝」あたりの話をかなり読んだので、年最後の旅行に、京都を選んだ。六波羅あたりは、もう何回も行っているので、今回は、比叡山と相国寺だ。日曜日、冬でロープウエイは止まっているので、車で東塔まで登る。30分。土曜日の大雨は上がっていたが、山腹に雲たなびき、京都市街と、琵琶湖が、九十九折の道の左右に見え隠れする。幻想的だ。信長の焼き討ちもあったが、最澄が天台宗を開いて1200年、点した灯は消えていない。「根本中堂」は、江戸時代の再建だが、本堂が一段下がった、独特な造りで、「修行の谷間」と言う。岐路は、琵琶湖側の坂本へケーブルカーで下りた。坂本は、日吉大社の門前町で、石積みで有名。司馬遼太郎が行きそこなった、「つるき屋」という蕎麦やで昼食を終えた頃には、晴れ間がのぞいた。宿泊したホテルは、なんだかアベック(死語か?)でいっぱい。そういえば、クリスマスだ。日本人は、宗教的には気楽なものだ。そういう自分も、夜はワインで洋食。「欧米か!」