2008年3月4日火曜日

「橋と扉」 - ゲオルク・ジンメル

この人は、ベルリン生まれのユダヤ人社会学者(1858-1918)。さて、枕元において読んでいた本が一通り終わったので、昨晩は「近代思想家」一覧みたいな物を睡眠導入薬にした。色々といるのだが、久しぶりにマックス・ヴェーバーの「生の哲学」の流れをなぞった。目にとまたのが、ジンメル。確か「距離」なんてのがキーワードだったと記憶していたが、やはり、「縁辺(マージナル)」なものに注目していた人と書いてある。掲題は初期の作品だそうだが、「生きる自分」がいて、それを社会へとつなぐのが「橋」。自分の閉じこもる空間としての家。そこから外へと、自らを誘うのが「扉」、みたいな解説があった。最近の日本では「論理的思考が大事」などとよく言われる。もちろん、それは大事だが、論理の世界を追求した西欧でも、「生きる人」に注目し直した思想家達がいる事を忘れてはいけない。「あれ」も大事だが、「これ」も大事なんだ。

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