2008年3月7日金曜日

おりあいの哲学 - 反アンチノミー?

イマヌエル・カントは、人智では成否の判断ができない、「二律背反」をアンチノミーと言い、神の領域へ押しやった。そこまで難しい話ではないのだが、20年の多文化共存の地平から私が学んだのは、「折り合いの哲学」だと言ってもよいだろう。「万民の万民との戦い」とホッブスは、人間の本性を語った。「1000人居れば、1000の真理がある」とニーチェは言った。直接聞いたわけではないが、本当だろう。封建的歴史の背景が残る欧州の「多文化」と比べて、アメリカの「多文化」は、「作ってきた(いる)」多文化だ。近年は、「文明と文化の衝突」なんてのが、アメリカのジレンマなんだが、いづれにしろ、「プロテスタント的な、自律した個人」が居て、相互に(お互いの)自由を認め合い、(共通の仕事・目標を)「折り合い」ながら社会活動を送るというのが、ベースだと理解するに至ったわけだ。日本は、ようやく「冬」の寒気を脱した。さて、次は「桜」が楽しみだ。

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