2008年12月11日木曜日

派遣切り - 非合理

「何が悪い」などと過激な事を言うと首が飛ぶが、幸い私は大臣でも大企業の社長でもない。さて、ここ数年、「派遣社員を正規社員に」などという話になんだか釈然としなかった。アメリカでは、90年初頭の雇用危機を経て、組織と個人の新しい関係の中で、会社の社会化が進み、アウトソース、スタッフィング(派遣)など雇用・就労の形態が多角化、柔軟化、複線化してきた。世の中の不確定性が増加し、固定した関係のリスクを最小化するためだ。企業は、流した血と心の傷に学び、景気拡大時もむやみな採用を控え、厳選コア社員のリテンションを進めた。労働者を人として差別してはいけない。これは法であり、倫理だ。しかし、雇用形態の進化の逆行はいかがなものか。正社員は正社員なりのコンピテンシーと制約、責任、忠誠が前提で、派遣は派遣なりの専門性と柔軟性、自由、流動性がある。これは差別ではなく区別だ。ただ一つ言えるのは、「派遣だけ切る」という事は、リストラロジックとしては「非合理」だろう。正しいリストラとは、「なりたい姿を描き、それに必要な資源(人・物・金)を残し、足りない物を補強し、残念ながら当てはまらなかったものを削減する」事だ。だから、派遣が含まれる確立が高いかもしれないが、正社員だって組織との価値観が会わなければ対象になるのだ。そこを誤解してはいけない。、

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